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蓄熱システム/蓄熱材料の実用化技術


定価 ¥ 55,000(税込)
販売価格 ¥ 55,000(税込)
商品番号:dp0042
ISBN: 978-4-907002-69-5


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■発刊日:2018年1月25日
■販売者:パテントテック社

■出版社:S&T出版(株)
■資料体裁:B5判 145頁 並製本

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■著 者

<監修>
小林敬幸 / 名古屋大学

<著者>
小林 敬幸 / 名古屋大学
窪田 光宏 / 名古屋大学
志連 陽平 / (株)リコー
升澤 正弘 / (株)リコー
高橋 斗美子 / (株)リコー
山田 茂 / (株)リコー
早川 謙一 / (株)リコー
本橋 佑一 / (株)リコー
阿萬 康知 / (株)リコー
劉 醇一 / 千葉大学
小倉 裕直 / 千葉大学
所 裕子 / 筑波大学
大越 慎一 / 東京大学
酒井 俊郎 / 信州大学
能村 貴宏 / 北海道大学
秋山 友宏 / 北海道大学
大久保 英敏 / 玉川大学
鈴木 洋 / 神戸大学
田中 義孝 / 新日本電工(株)
稲垣 泰一 / 名古屋大学
石田 豊和 / 産業技術総合研究所,未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合
岩井 良博 / 三機工業(株)

■趣旨

 電気エネルギーは輸送性、利便性が特に高いことから、電力系統という広域ネットワークを形成し、広く社会に浸透している。エネルギー創造の分野では、低環境負荷化や石油・石炭に代表される化石燃料への依存度の低減に向けて、太陽光、風力の利用に関する研究開発が進んできており、またエネルギー消費の分野においても、例えばガソリン・ディーゼル車から電気自動車へなど、電気エネルギーの利用がますます増えている。特に2017年は、電気自動車の開発に向け大きく進展する年となった。世界最大の自動車市場である中国は、大気汚染対策もあってハイブリッド車を飛び越えて電気自動車シフトへ舵を切った。フランスでは、2040年までに国内でのガソリン・ディーゼル車の販売を禁止する方針が示され、ノルウェーに至っては2025年までに全車を電気自動車に切り換えると打ち出した。これに伴い、日本、ヨーロッパ、アメリカ、さらには中国メーカーまでもが電気自動車開発に大きくシフトし始めることとなった。このように、今後も電気エネルギーすなわち電力への依存度は堅調に上昇し、将来的にも電力がエネルギーの中核をなすものと考えられる。われわれの明日の社会が持続可能な発展を遂げるためには、この電力エネルギーを効率よく利用することが必須であり、それを支える最も大きな技術のひとつがパワーエレクトロニクスである。
 パワーエレクトロニクスとは、エレクトロニクスで電力を効率的に制御する技術のことである。具体的にはパワーデバイスを用いて電力を制御し、より使いやすい形に高効率で変換する技術である。パワーエレクトロニクスによる電力制御は、パワーデバイスによる低抵抗・高速スイッチング技術によって成り立っており、パワーデバイスの性能が電力制御の性能を左右すると言っても過言ではない。現在のパワーエレクトロニクスはシリコンパワーデバイスがその中心であるが、近年ではシリコンの物性値で決まる限界に近づいてきたと言われており、今後のパワーエレクトロニクス装置の高性能化に必ずしも対応しないのではないか、との懸念も示されている。
 この状況を打破する次世代素子として、SiC/GaNパワーデバイスが大いに期待されている。そしてその一部は、すでに電源分野や家電さらには電鉄分野などに適用され始めている。しかしながら、性能、信頼性、さらには価格の面で市場の要求に十分応えられているとは言えない状況にある。
 本書『SiC/GaNパワーエレクトロニクス普及のポイント』では、近い将来のパワーエレクトロニクスの主役となるSiC/GaNパワーデバイスを広く市場に普及するためのポイントは何か、を軸に編集された。デバイス・プロセス技術、実装・応用回路技術だけでなく、自動車・太陽光発電用途での課題と対策、受動部品さらには規格や国際標準化についても詳細に紹介している。さらには今後のパワーデバイスの市場動向についてまで詳しく解説しており幅広い内容を網羅することができた。環境にやさしく、かつ高効率な電力利用社会の本格的な実現に向けて、SiC/GaNパワーデバイスの浸透を加速するには今後何をすべきかに、本書が役立つことを大いに期待したい。(岩室憲幸「はじめに」)



第1章 熱を化学的に蓄える「熱バッテリー」技術
1. はじめに
2. 各種の蓄熱方法と化学蓄熱の特長
3. 化学蓄熱技術の開発状況
3.1 連続サイクル試験
4. おわりに

第2章 高性能蓄熱材料/蓄熱システムの開発動向
第1節 蓄熱・ヒートポンプ技術の理論と作動原理
1. はじめに
2. 蓄熱技術の種類と特徴
3. 化学蓄熱・ヒートポンプ技術
3.1 化学蓄熱・ヒートポンプの基本原理
3.2 化学蓄熱・ヒートポンプの熱力学
3.3 化学蓄熱・ヒートポンプの作動モード
3.3.1 冷凍,増熱,蓄熱モード
3.3.2 昇温モード
3.4 化学蓄熱・ヒートポンプの効率
3.5 化学蓄熱・ヒートポンプの候補反応系と現状
4. おわりに

第2節 硫酸カルシウム系
1. はじめに
2. 硫酸カルシウムの繰り返し耐久性向上
2.1 硫酸カルシウム不活性化の原因
2.2 添加剤混合によるII 型化抑制効果
2.3 水和脱水繰り返し耐久性試験
3. 熱入出力速度の向上
3.1 バルク状硫酸カルシウム充填型熱交換器
3.2 反応器設計のためのシミュレーションに必要な物性
4. おわりに

第3節 酸化マグネシウム系化学蓄熱材
1. 緒言
2. 化学蓄熱の作動原理
3. 水酸化マグネシウムの化学修飾による蓄熱操作温度の低温化
3.1 水酸化マグネシウムに対する遷移金属の複合化(複合水酸化物の生成)
3.2 金属塩添加による水酸化マグネシウムの表面修飾
4. 熱出力密度の比較
5. 繰返し反応に対する耐久性
6. 今後の研究課題
7. おわりに

第4節 酸化カルシウム
-化学蓄熱・ケミカルヒートポンプシステムおよび材料の実用化開発-
1. はじめに
2. ケミカルヒートポンプとは
3. 酸化カルシウム系ケミカルヒートポンプシステムの実用化開発
3.1 ケミカルヒートポンプドライヤーシステム
3.2 自動車廃熱リサイクル利用ケミカルヒートポンプシステム
3.3 電気自動車空調用ケミカルヒートポンプシステム
4. ケミカルヒートポンプ材料としての酸化カルシウム材料の性能向上
4.1 ケミカルヒートポンプ用反応材料の研究開発状況
4.2 ケミカルヒートポンプ反応材料の課題と対応
4.3 酸化カルシウム系ケミカルヒートポンプ反応材料の性能向上検討事例
5. おわりに

第5節 固体-固体相転移蓄熱セラミックス
1. はじめに
2. 材料合成
3. 圧力で起こる相転移
4. 相転移における熱収支
5. 電流で起こる相転移
6. 圧力誘起相転移のメカニズム
7. おわりに

第6節 非流動型有機系潜熱蓄熱材
1. はじめに
2. 有機系PCMゲルの調製と物理的性質
3. 有機系PCMゲルの熱的性質
4. 有機系PCMゲルの熱的安定性
5. おわりに

第7節 高温用潜熱蓄熱・熱輸送材料
1. はじめに
2. 顕熱蓄熱技術と潜熱蓄熱技術の実用化温度範囲の比較
3. 開発を推進すべき高温PCM
4. おわりに

第8節 流動性のある潜熱蓄冷・蓄熱材
1. はじめに
2. 相平衡状態図
3. エタノール-水混合物質の結晶成長
4. 流動性のある潜熱蓄冷・蓄熱材の熱物性
4.1 密度およびみかけの密度
4.2 融解潜熱
4.3 比熱およびみかけの比熱
4.4 熱伝導率およびみかけの熱伝導率
5. おわりに

第9節 潜熱輸送スラリー
1. 潜熱輸送スラリーについて
2. 低温系潜熱輸送スラリー
3. 高温系潜熱輸送スラリー
4. 潜熱輸送スラリーの流動伝熱特性
5. マイクロカプセルによる潜熱輸送
6. 最後に

第10節 二酸化バナジウム系
1. はじめに
2. 製法
2.1 二酸化バナジウムの従来合成法
2.2 二酸化バナジウムの新合成法
3. 二酸化バナジウムの物性
3.1 試料
3.2 分析値
3.3 試料の結晶相の同定
3.4 相転移温度と蓄熱量
3.5 粒子形状と粒度分布
3.6 保冷性能
4. 二酸化バナジウムの安定性
4.1 空気中加熱
4.2 昇降温繰り返し試験(サイクル試験)
4.3 保存時の変質調査
5. おわりに

第11節 潜熱蓄熱材料の計算科学
1. はじめに
2. 潜熱蓄熱材の熱物性解析のための計算科学的手法
2.1 分子力学法
2.2 分子動力学法
2.3 融点の計算
2.4 融解潜熱の計算
3. 既存潜熱蓄熱材の熱物性解析: 天然糖アルコール
4. 新規潜熱蓄熱材の理論設計:非天然糖アルコール
5. 蓄熱材料に関するその他の計算科学的研究
6. おわりに

第3章 応用事例
第1節 地域エネルギー利用(廃棄物処理施設)
1. はじめに
2. システムの概要
2.1 蓄熱機構
2.2 放熱機構
3. 蓄熱装置の種類と利用方法
3.1 蓄熱コンテナの形状,重量,サイズと輸送車両
3.2 輸送車両(輸送式)
3.3 蓄熱コンテナ内の熱交換方式
3.4 潜熱蓄熱材と熱媒体
3.5 法令面
3.5.1 消防関連
3.5.2 道路関連
4. 導入事例
4.1 設備概要
4.2 運転実績
5. まとめ