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高分子の結晶化,延伸による高性能化


定価 ¥ 62,700(税込)
販売価格 ¥ 62,700(税込)
商品番号:dc0265
ISBN: 978-4-7813-1794-6


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■発刊日:2024年1月19日
■販売者:パテントテック社
■出版社:株式会社シーエムシー出版
■資料体裁:B5判、254頁

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★軽量で比強度が高い,靱性で壊れにくい,透明性がある,熱伝導率が低いなど特有の性質を有する結晶化した高分子!
★高分子の結晶の優れた特性は,板材,フィルム,繊維,ボトル等の身の回りにある汎用材料,さらには自動車用材料,光学材料,電子・情報材料など様々な分野・産業で用途展開されている!
★高分子の「結晶化と結晶構造」,「構造解析」,「成形加工技術」分野の第一線で活躍されている方々により構築された結晶化や延伸に関する概念や技術が詰まった一冊!

■刊行にあたって

 ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート,ナイロンなど多くの高分子は結晶化する。結晶化した高分子は,軽量で比強度が高い,靱性で壊れにくい,透明性がある,熱伝導率が低い,など金属材料や無機材料では発現できない特有の性質を有している。これら高分子の結晶の優れた特性が活かされて,板材,フィルム,繊維,ボトル等の身の回りにある汎用材料,さらには自動車用材料,光学材料,電子・情報材料など様々な分野・産業を支える材料として用途展開されている。
 結晶化した高分子における優れた性質はその特徴的な構造に起因している。高分子は絡み合ったひも状の分子鎖から成り,分子鎖は結晶成長に伴い規則正しく配列して,サイズが数nmの板状ラメラ,数百nmのフィブリル,数μmの球晶により構成される階層構造,いわゆる高次構造を形成する。また,高分子では100%結晶化した構造体は得られず,結晶領域の間に非晶領域が存在する。このような結晶高次構造が形成されることで,靱性かつ高い比強度が発現する。高分子の結晶高次構造を成形加工時に適切な延伸により制御することで用途に適した物性が引き出され,様々な用途に展開されている。また,天然ゴムは伸長により結晶化して急激な応力の増加を示し,架橋ゴムに特徴的な変形回復性も示す。高分子の結晶高次構造を制御することで物性を変えることができるため,分析・評価・解析により得られる高次構造や構造形成に関する知見は高分子の用途展開や学術的深化を支えるものとして必要不可欠である。
 本書には,高分子の「結晶化と結晶構造」,「構造解析」,「成形加工技術」の分野の第一線で活躍されている方々により構築された結晶化や延伸に関する概念や技術が詰まっている。本書の各項目を執筆して頂いた著者の皆さまに深く御礼申し上げます。高分子の用途開発には,カーボンニュートラルへと期待されているバイオベース高分子の高性能化,安全・安心のための長寿命化,成形性向上のための結晶化の加速,軽量化を実現するための高強度化,など多くの課題があるが,課題の多くは本書に記述されている内容を学ぶことで解決に近づけられると期待される。高分子の結晶化についてこれから学ばれる方,より深く多様な視点で学びたい方,高分子の用途展開を模索されている方,など分野を超えた多くの方々に本書が長きにわたり役立つことを願っています。

東京農工大学  
斎藤 拓

■著者一覧

斎藤 拓  東京農工大学 
内田哲也  岡山大学 
竹下宏樹  滋賀県立大学 
櫻井伸一  京都工芸繊維大学 
望月政嗣  (元)京都工芸繊維大学;高分子学会フェロー;(元)ユニチカ㈱
柘植丈治  東京工業大学 
西田幸次  京都大学大学院 
山崎慎一  岡山大学 
村瀬浩貴  共立女子大学 
登阪雅聡  京都大学 
山登正文  東京都立大学
上田直人  ㈱ADEKA 
陣内浩司  東北大学 
松葉 豪  山形大学 
村山正樹  三重県工業研究所 
引間悠太  (国研)産業技術総合研究所 
鞠谷雄士  東京工業大学 
大越 豊  信州大学 
宝田 亘  東京工業大学 
山口政之  北陸先端科学技術大学院大学 
新田晃平  金沢大学 
撹上将規  群馬大学 
上原宏樹  群馬大学 
金井俊孝  KT POLYMER 
大槻安彦  ㈱プライムポリマー 
加部泰三  東京大学 
岩田忠久  東京大学 
佐々木 靖 東洋紡㈱ 
早川章太  東洋紡㈱



第1章 高分子の結晶化と結晶構造
1 高分子結晶化の基礎と高次構造制御
1.1 はじめに
1.2 結晶成長
1.3 結晶高次構造
1.4 ポリマーブレンドの結晶化
1.5 延伸により形成される構造と力学特性
2 剛直高分子の希薄溶液からの結晶化
2.1 はじめに
2.2 ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール(PBZT)の希薄溶液からの結晶化
2.2.1 急冷結晶化によるPBZT結晶の形態と構造
2.2.2 等温結晶化によるPBZT 結晶の形態と構造
2.2.3 結晶成長機構
2.2.4 分子量分布の制御と結晶形態
2.3 ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)の希薄溶液からの結晶化
2.3.1 self seeding法を用いたPPTA単結晶のTEM 観察
2.3.2 熱処理前後のPPTA単結晶の暗視野像観察結果
2.3.3 熱処理前後のPPTA単結晶のSPM観察結果
2.4 単層カーボンナノチューブ(SWNT)の希薄溶液からの結晶化
2.4.1 SWNTの切断と結晶化
2.4.2 SWNTの切断処理結果
2.4.3 SWNT結晶のTEMおよびSPM観察結果
2.5 おわりに
3 結晶性ポリマーブレンドの結晶化
3.1 緒言
3.2 形成される結晶ラメラ構造内に取り残される“非晶性”成分
3.3 結晶ラメラ間に取り残された成分の結晶化
3.4 結晶ラメラ間における核形成と結晶成長
3.5 結言
4 可塑剤添加による(ポリ乳酸の)結晶化促進
4.1 緒言
4.2 DSC測定による結晶化性能向上の定量的評価
4.3 WAXS測定による等温結晶化実験
4.4 POM観察による球晶成長の観察とそれに基づく球晶の線成長速度の評価
4.5 Hoffman-Lauritzen理論に基づく分子鎖の折りたたみを含む面の表面自由エネルギーσeの定量評価
4.6 Hoffman-Lauritzen理論に基づく可塑剤添加による結晶化促進の考察
4.7 まとめ
5 ポリ乳酸の結晶化速度向上による高性能化
5.1 はじめに
5.2 熱可塑性プラスチックの成形加工と結晶化挙動
5.2.1 熱可塑性プラスチックの成形加工プロセスと結晶化
5.2.2 高分子の古典的結晶化理論と結晶化速度パラメータ
5.3 ポリ乳酸の一次構造の最適分子設計…高L 組成ポリ乳酸(High %L PLA)
5.4 結晶化促進剤の成形加工分野別選択指針
5.5 高耐熱性ポリ乳酸成形品の開発と製品化事例
6 結晶化挙動に優れた微生物ポリエステルの開発
6.1 はじめに
6.2 PHA開発の歴史
6.3 P(3HB-co-3H2MB)の熱物性
6.4 P(3H2MB)の熱物性と結晶化挙動
6.5 P(3HB-co-3H2MV)の熱物性と結晶化挙動
6.6 おわりに
7 合成化学的手法を用いない結晶性高分子の融点制御
7.1 はじめに
7.2 結晶性高分子の融点の結晶化温度依存性の理屈
7.3 成形加工プロセス中の温度変化速度と分析・観察装置内での温度変化速度との乖離
7.4 成形加工プロセス中の構造変化を可視化する装置
7.5 結晶性高分子の融点変化の傾向と融点変化の可視化
8 高分子の定常流動場での結晶化とモルフォロジー
8.1 はじめに
8.2 定常ずり流動場における分子鎖形態
8.3 シシ生成速度Ishおよび球晶生成速度Ispの過冷却度ΔT依存性
8.4 シシの成長速度の結晶化温度Tcおよび過冷却度ΔT依存性
8.5 シシの生成および成長における臨界ずり速度
8.6 おわりに
9 紡糸により形成される結晶高次構造
9.1 はじめに
9.2 超高分子量ポリエチレンのゲル紡糸
9.3 紡糸直後の繊維の内部構造
9.4 シシケバブ構造の構造形成
9.5 紡糸過程での構造形成の観察
9.6 まとめ
10 架橋ゴムの伸長による結晶化―高強度化への布石―
10.1 はじめに
10.2 架橋ゴムの基本的な特徴
10.3 架橋ゴムの伸長結晶化と強度
10.4 伸長結晶化による補強の機構
10.5 伸長結晶化を促進する方法
10.6 伸長結晶化の理解
10.7 結語
11 磁場配向を利用した結晶性高分子の機能制御
11.1 はじめに
11.2 結晶性高分子の磁場配向
11.2.1 磁気異方性エネルギーと配向様式
11.2.2 結晶性高分子を磁場配向させるために
11.2.3 磁場配向で得られる構造
11.3 磁場配向による高分子の異方性制御
11.3.1 複屈折制御
11.3.2 結晶造核剤の磁場配向を利用した材料の力学特性
11.4 まとめ
12 核剤・透明化剤による材料特性の改善
12.1 はじめに
12.2 核剤・透明化剤の特徴と分類
12.3 作用機構
12.4 α晶核剤,透明化剤,β晶核剤の種類
12.5 物性改善効果
12.5.1 α晶核剤による物性改善効果
12.5.2 透明化剤の物性改善効果
12.5.3 β晶核剤による物性改善効果
12.6 まとめ

第2章 構造解析
1 高分子結晶構造と結晶内分子配向のナノスケール可視化
1.1 はじめに
1.2 ナノ回折イメージング
1.3 ナノ回折イメージングによる結晶構造解析
1.4 おわりに
2 放射光X 線散乱などを用いた配向結晶化メカニズムの広い空間スケールでの解析
2.1 緒言
2.2 せん断流動と結晶化の相関について
2.3 せん断流動中の結晶化プロセス
3 高分子の結晶化度の解析
3.1 はじめに
3.2 結晶化度解析の手法
3.3 試料の調製
3.3.1 PE試料の調製
3.3.2 PP試料の調製
3.4 X線回折装置(XRD)による解析
3.5 示差走査熱量計(DSC)による解析
3.6 フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)による解析
3.7 各種装置による結晶化度解析結果の比較
4 超高速DSC法による結晶化解析
4.1 はじめに
4.2 高速冷却過程におけるPPの結晶化挙動
4.3 PPの結晶化速度の解析
4.4 昇温カーブを利用した結晶化現象の評価
4.5 おわりに

第3章 成形加工技術
1 伸長過程を経た高分子の熱処理による自発配向と自発伸長
1.1 はじめに
1.2 紡糸プロセスで起こる自発伸長
1.3 繊維の熱処理過程で生じる自発伸長
1.4 複合紡糸繊維の熱処理に伴う配向及び形態変化
1.5 紡糸速度を周期的に変動させて得た繊維の熱処理に伴う配向及び形態変化
1.6 おわりに
2 高分子の配向結晶化―メカニズムと物性制御―
2.1 はじめに
2.2 配向結晶化のメカニズム
2.3 配向結晶化による階層構造形成
2.4 配向結晶化物の熱機械物性
2.5 おわりに
3 高分子フィルム・繊維の延伸プロセスと物性制御
3.1 はじめに
3.2 繊維の延伸プロセスと物性制御
3.2.1 繊維の延伸プロセスの基本
3.2.2 延伸による分子配向の向上と力学物性の改善
3.2.3 繊維の熱処理による結晶化
3.3 フィルムの延伸プロセスと物性制御
3.3.1 フィルムの延伸プロセス
3.3.2 フィルムの延伸に伴う分子配向・結晶配向と物性制御
3.4 おわりに
4 流動誘起結晶化を利用した構造制御
4.1 はじめに
4.2 結晶核剤の利用
4.3 “隠れた“流動誘起結晶化の利用
4.4 メルトメモリー効果の利用
5 結晶性高分子の延伸挙動の解明と改質
5.1 はじめに
5.2 応力-ひずみ挙動
5.2.1 弾性変形挙動
5.2.2 降伏変形挙動
5.2.3 ネック発現機構
5.3 まとめ
6 分子鎖絡み合いとタイ分子を利用した結晶性高分子の高性能化・高機能化
6.1 延伸による配向結晶化
6.2 溶融延伸とインプロセスX 線計測
6.3 NMR計測による分子鎖絡み合い特性の評価
6.4 溶融二軸延伸への展開
6.5 溶融紡糸・溶融超延伸による繊維化
6.6 タイ分子による伸縮性発現
6.7 おわりに
7 二軸延伸の成形加工・評価技術と延伸挙動解析
7.1 はじめに
7.2 二軸延伸成形
7.2.1 二軸延伸の成形挙動
7.2.2 二軸延伸試験機による延伸性評価と材料設計
8 高速結晶化評価に基づいた成形加工プロセスの予測
8.1 はじめに
8.2 高速結晶化挙動の評価およびモデル化
8.3 インフレーション成形のシミュレーション
8.4 インフレーション成形解析への結晶化モデルの適用
8.5 インフレーションバブルの不安定性の予測
8.6 おわりに
9 バイオマスを原料とする微生物産生ポリエステルの延伸技術と高次構造解析
9.1 はじめに
9.2 P(3HB)の基礎物性および熱分解特性
9.3 P(3HB)コポリマーの基礎物性と特徴
9.4 PHA における繊維化の歴史
9.5 超高分子量P(3HB)の生合成と冷延伸二段階延伸による高強度繊維の開発
9.6 超高分子量P(3HB)/通常分子量P(3HB)ブレンド繊維
9.7 P(3HB-co-3HV)に対する微結晶核延伸法
9.8 P(3HB-co-3HH)に対する中間熱処理延伸法の開発
9.9 P(3HB)のβ構造と力学物性の関係および熱物性
9.10 おわりに
10 高複屈折PETフィルムの成形・量産技術開発と光学部材への応用
10.1 はじめに
10.2 高複屈折PETフィルム開発の背景
10.3 虹ムラ解消の原理
10.3.1 虹ムラとは
10.3.2 高リタデーション化
10.3.3 広視野角化
10.3.4 遅相軸傾斜の抑制
10.4 成形加工技術
10.4.1 光学特性の制御
10.4.2 量産技術
10.4.3 インラインコート技術
10.5 工業的寄与
10.5.1 COSMOSHINE SRF®の特性
10.5.2 低透湿性
10.6 おわりに