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高性能透明ポリマーの開発と応用
定価 ¥ 58,300(税込)
販売価格 ¥ 58,300(税込)
商品番号:dc0237
ISBN: 978-4-7813-1689-5
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■発刊日:2022年12月26日
■販売者:パテントテック社
■出版社:株式会社シーエムシー出版
■資料体裁:B5判、274頁
★各種光学部材に用いられ,光技術分野を支える重要な材料となっている透明ポリマー!
★材料開発に加え,光学・エレクトロニクス分野や自動車分野への応用に向けた最新の取り組みを紹介!
★サステナビリティに貢献する透明ポリマーの研究開発動向を把握できる一冊!
■刊行にあたって
透明なポリマー材料は,柔らかさ,軽さ,加工のしやすさ,扱いやすさといった高分子材料の特長を生かし,光技術分野に貢献してきた。それまでガラスが使われていたところをポリマーに代えることにより機器の小型化,薄型化,軽量化が達成された。そして,現在,透明ポリマーは,ディスプレイ用光学フィルム,光ディスク,光学レンズ,光ファイバー,タッチパネルなど各種光学部材に用いられ,光技術分野を支える重要な材料となっている。
また,環境・エネルギー的観点,ユーザビリティ,ロールto ロール方式による大量生産性といった点から期待が高まる次世代照明,フレキシブル有機太陽電池,フレキシブルディスプレイ,ウェアラブルエレクトロニクスなど次世代光技術においても高性能な透明高分子フィルムが必要となる。さらに,自動車などの産業分野で透明ポリマー材料の重要性が増している。次世代光技術分野や自動車分野に透明ポリマーを応用するためには,光学特性を高性能化するとともに,ガラスに比べて劣っていた耐熱性,熱膨張性,表面硬度,水蒸気およびガスバリア性などの特性を向上させていくことが必要となる。これらについての研究も活発になっている。さらにバイオプラスチックや石油由来でない天然素材による透明材料の研究も進んでいる。
本書は透明ポリマーの基礎から最新の高性能・高機能透明ポリマー材料,さらに光学・エレクトロニクス分野および自動車分野への応用について網羅している。本書の著者は,いずれも第一線で活躍されており,多忙にもかかわらず,執筆を快諾していただいた。第1 章は,屈折率,複屈折,透明性などポリマーの光学特性の基礎と高性能化について述べられている。第2 章では,最新の高性能・高機能透明ポリマー材料についてまとめられている。第3 章は,透明ポリマーの光学・エレクトロニクス分野への応用について,そして第4 章では,自動車分野への応用について解説していただいた。
本書が,次世代技術,持続成長可能な環境調和型社会形成に資する透明ポリマー材料の開発に貢献することができれば幸いである。
(本書「はじめに」より)
■著者一覧
谷尾宣久 公立千歳科学技術大学
山田保治 FAMテクノリサーチ
松本章一 大阪公立大学
南 聡史 大阪ガスケミカル㈱
二嶋 諒 NOK㈱
小山 亮 ユニチカ㈱
加藤宣之 三菱ガス化学㈱
西森克吏 三菱ガス化学㈱
塩野 毅 広島大学
吉田淳一 旭化成㈱
林 幹大 名古屋工業大学
鈴木一子 ㈱KRI
福井俊巳 ㈱KRI
千葉一生 山形大学
松村吉将 大阪工業大学
落合文吾 山形大学
兼橋真二 東京農工大学
安田真穂 アルケマ㈱
能宗孝充 共同技研化学㈱
水野洋輔 横浜国立大学
佐藤公一 日本特殊光学樹脂㈱
阿部誠之 旭化成㈱
小松和磨 旭化成㈱
山内一美 NTTアドバンステクノロジ㈱
荒木徹平 大阪大学
植村隆文 大阪大学
関谷 毅 大阪大学
多々見 央 東洋紡㈱
伍賀正典 福山大学
硯里善幸 山形大学
春日貴章 大阪大学
能木雅也 大阪大学
清水 博 ㈱HSPテクノロジーズ
小野行弘 デクセリアルズ㈱
加藤裕司 デクセリアルズ㈱
伊藤幹彌 (公財)鉄道総合技術研究所
第1章 透明ポリマーの基礎
1 屈折率制御および高透明化
1.1 はじめに
1.2 屈折率制御
1.3 高透明化
1.3.1 高透明化のための高次構造制御
1.3.2 高透明化のための分子設計
1.4 おわりに
2 透明樹脂の基礎と高機能化
2.1 はじめに
2.2 透明樹脂の基礎
2.2.1 透明樹脂の構造と特性
2.2.2 光の透過
2.3 透明樹脂の分子設計
2.3.1 透明樹脂の分子設計
2.3.2 樹脂の透明化方法
2.4 透明樹脂の高機能化
2.4.1 高耐熱化
2.4.2 屈折率,アッベ数
2.4.3 低吸水率化
2.4.4 低複屈折率化
2.4.5 無機物の複合化
2.5 おわりに
第2章 高性能・高機能透明ポリマー材料
1 アクリルポリマーの特徴と高機能化
1.1 はじめに
1.2 アクリルポリマーの特徴
1.3 アダマンチル基を含む高Tgアクリルポリマー
1.4 剛直分子鎖ポリフマル酸エステル
1.5 耐熱性マレイミドポリマー
1.6 マレイミド系ネットワークポリマー
1.7 高透明・高耐熱性ポリスルホン
1.8 側鎖分解型アクリルポリマー
1.9 おわりに
2 光学用フルオレン系ポリエステル樹脂
2.1 はじめに
2.2 フルオレンとは
2.3 一般的な光学用レンズ樹脂
2.4 フルオレン系ポリエステル樹脂(OKPⓇ)とは
2.4.1 高屈折率
2.4.2 低複屈折
2.4.3 低アッベ数
2.4.4 高耐熱性
2.4.5 高流動性
2.5 おわりに
3 透明フッ素樹脂MEXFLONⓇ
3.1 はじめに
3.2 フッ素樹脂について
3.3 MEXFLONⓇ開発経緯
3.4 高分子の屈折率について
3.5 MEXFLONⓇの光学特性
3.6 MEXFLONⓇの光学以外の物性
3.6.1 MEXFLONⓇの一般物性
3.6.2 MEXFLONⓇの安全性
3.7 用途
3.7.1 装飾・アート
3.7.2 流体解析用途
3.7.3 観察容器-細胞培養容器
3.7.4 近赤外光透過材料
3.7.5 低誘電材料
3.8 まとめと今後の展望
4 ポリアリレート樹脂の最新開発動向
4.1 はじめに
4.2 ポリアリレート樹脂とは
4.3 はんだリフロー対応高耐熱ポリアリレート樹脂「T-200」「T-203」
4.3.1 開発背景
4.3.2 基本特性
4.3.3 耐リフロー性
4.3.4 他樹脂との比較
4.3.5 今後の展開
4.4 耐薬品・耐衝撃性・長期信頼性に優れるポリアリレート樹脂「FUN-8001」
4.4.1 開発背景
4.4.2 基本特性
4.4.3 長期信頼性試験
4.4.4 耐薬品性
4.4.5 溶融流動性
4.4.6 今後の展開
4.5 耐湿熱性を向上させたポリアリレート樹脂「P-1001AHR」
4.5.1 開発背景
4.5.2 基本特性
4.5.3 耐湿熱性
4.5.4 今後の展開
4.6 おわりに
5 特殊ポリカーボネートの特徴と展開
5.1 はじめに
5.2 一般PCと特殊PC
5.3 PCの製法について
5.4 特殊ポリカーボネート樹脂ユピゼータⓇについて
5.5 特殊ポリカーボネート樹脂ユピゼータⓇEPシリーズついて
5.6 分子構造による屈折特性(複屈折率,屈折率)の制御
5.6.1 複屈折の制御
5.6.2 高屈折率化
5.7 終わりに 特殊PCの今後の展開
6 環状オレフィン共重合体の一次構造制御と官能基化
6.1 緒言
6.2 チタン錯体触媒における助触媒の役割
6.3 ノルボルネンの単独重合
6.4 ノルボルネンとオレフィンとの共重合
6.4.1 ノルボルネン/エチレン共重合
6.4.2 ノルボルネン/1-アルケン共重合
6.4.3 NB/1-アルケングラジエント共重合体の合成と物性
6.4.4 NB/1-アルケンブロック共重合体の合成と物性
6.5 シクロオレフィン共重合体の官能基化
6.5.1 ジエンをコモノマーとする反応性シクロオレフィン共重合体の合成
6.5.2 アルケニルアルミニウムをコモノマーとする官能基化シクロオレフィン共重合体の合成
6.6 NB/1-オクテン共重合体アームを有する星型ポリマーの合成と物性
6.7 シクロオレフィン共重合体の光学特性制御
6.8 結言
7 低複屈折透明樹脂AZPTM
7.1 はじめに
7.2 AZPTMの特徴
7.3 AZPTMの加工特性
7.4 AZPTMへのコーティング
7.5 AZPTMの用途展開
7.6 終わりに
8 結合交換機構を組み入れた高透明エポキシ硬化樹脂
8.1 はじめに
8.2 分子設計
8.3 結合交換特性
8.4 機能について
8.5 終わりに
9 ナノ相分離構造制御技術による形状記憶透明耐熱フィルム
9.1 はじめに
9.2 耐熱性と可撓性・透明性を両立するために
9.3 ハイブリッドフィルム(硬質タイプ)の特性
9.3.1 ハイブリッド材料の外観と光学特性
9.3.2 ハイブリッド材料の機械特性
9.3.3 ハイブリッド材料の熱特性
9.4 想定される応用展開
9.5 まとめ
10 架橋構造の制御による折り曲げられる新規透明強靱ポリマーの開発
10.1 緒言
10.2 大環状構造を形成する重合
10.3 強靭ポリマーネットワークの合成とフィルムの作製
10.4 透明強靭性フィルムの力学特性
10.5 終わりに
11 未利用非可食バイオマスを原料とする機能材料の開発
11.1 再生可能資源の有効利用の重要性
11.2 カシューナッツの殻油(CNSL)
11.2.1 室温・無溶剤硬化のフレキシブルエポキシポリマー
11.2.2 室温・無溶剤の光硬化性透明ポリマー
11.3 まとめ
12 植物由来透明ポリアミドとポリアミド系帯電防止剤
12.1 はじめに
12.2 アルケマの11-アミノウンデカン酸を使用した植物由来ポリアミドについて
12.2.1 11-アミノウンデカン酸を利用したポリアミドの透明性について
12.2.2 植物由来非晶ポリアミドRilsanⓇClearについて
12.3 添加剤としての使用-植物由来帯電防止剤PebaxⓇ Rnew 30R51 SA01について
12.4 アルケマの社会的責任への取り組み
12.4.1 プラガティ・イニシアティブ(Pragati Initiative)
12.4.2 VirtucycleⓇプログラムを通じたマテリアルリサイクルへの取り組みについて
12.5 おわりに
第3章 光学・エレクトロニクス分野への応用
1 紫外線(UV)硬化型化合物の光学用途への展開
1.1 緒言
1.2 UV硬化型液状化合物の用途展開
1.2.1 接着剤への展開
1.2.2 光学ディスプレイへの展開
1.2.3 光学ディスプレイへの使用方法
1.2.4 光学用粘着シート(OCA:Optically Clear Adhesive)との比較
1.3 UV硬化型液状化合物の種類
1.3.1 (メタ)アクリル系
1.3.2 シリコーン系
1.4 UV硬化型液状化合物の設計
1.4.1 硬化原理
1.4.2 要求特性
1.4.3 配合
1.4.4 高屈折率・低屈折率化
1.5 おわりに
2 プラスチック光ファイバーを活用した分布計測技術
2.1 はじめに
2.2 POF中のブリルアン散乱の性質
2.3 POF中のブリルアン散乱に基づく分布型センシング
2.4 まとめ
3 フレネルレンズの製造と活用
概要
3.1 はじめに
3.2 シートレンズ・フィルムレンズについて
3.2.1 フレネルレンズ
3.2.2 レンチキュラーレンズ
3.2.3 シートプリズム
3.2.4 フライアイレンズ・マイクロレンズアレイ
3.3 シートレンズの設計と製造技術
3.3.1 シートレンズの設計
3.3.2 シートレンズの金型製造と留意点
3.3.3 シートレンズの成形方法と留意点
3.4 さいごに -高性能透明ポリマーへの期待-
4 偽造防止機能付き透明RFIDと真贋判定ソリューション
4.1 はじめに
4.2 偽造防止ラベル(RFID機能有り/無し)
4.2.1 外観および特徴
4.2.2 透明RFIDタグとしての性能
4.3 製造プロセスの紹介
4.3.1 自社開発のロールトゥロール(R2R)印刷プロセス
4.3.2 サブミクロン解像度の高精細円筒版(SRM)
4.3.3 電子ビーム露光によるSRM製造プロセス
4.4 偽造品被害解決に向けた取り組み
5 高屈折率ナノインプリント樹脂
5.1 はじめに
5.2 ナノインプリント技術
5.2.1 ナノインプリントプロセス
5.2.2 UVナノインプリント樹脂に要求される特性
5.3 高屈折率ナノインプリント樹脂の開発技術
5.3.1 UV硬化樹脂の高屈折率化
5.3.2 高屈折率とナノインプリント性を両立する上での課題
5.3.3 高屈折率ナノインプリント樹脂の種類
5.4 まとめ
6 柔軟・透明な導電性材料の開発と生体信号計測センサシートへの応用
6.1 はじめに
6.2 生体電極プローブ
6.3 金属ナノワイヤを用いた透明配線
6.4 透明トランジスタ
6.5 脳波計測
6.6 まとめ
7 透明導電性フィルムの高温高湿耐久性・フレキシブル性向上検討
7.1 はじめに
7.2 ITOについて
7.3 ITOとプラスチックフィルムの付着力
7.4 ITO膜の結晶性
7.4.1 プラスチックフィルムに含まれる水
7.4.2 結晶化シード層
7.5 透明導電膜のフレキシブル性
7.5.1 透明導電性フィルムの厚み
7.5.2 透明導電膜の構造
7.6 まとめ
8 透明柔軟樹脂を用いた光学式触覚センサ
8.1 はじめに
8.2 透明柔軟樹脂を用いた光学式触覚センサ
8.2.1 特徴・構造と設計
8.2.2 製作・製造の方法
8.3 性能評価試験
8.4 おわりに
9 フレキシブル有機ELの封止技術と材料
9.1 はじめに
9.2 有機ELの原理と特徴
9.3 有機ELの封止構造
9.4 フレキシブル有機ELディスプレイの封止構造
9.5 当研究室の取り組み
9.5.1 スリミングによる湾曲可能なガラス基板ベースの有機ELパネル
9.5.2 水蒸気透過性の低いラミネート部材
9.5.3 ウェットプロセスによるバリア構造の形成
9.6 おわりに
10 カーボンニュートラルの実現に向けたセルロースナノファイバーの電気的応用
10.1 はじめに
10.2 ナノペーパーの製法及び特性
10.2.1 CNFの製法・性質
10.2.2 ナノペーパーの製法・性質
10.3 環境と調和したセンサデバイス
10.3.1 ナノペーパーのコンデンサ誘電層及び湿度センサへの応用
10.3.2 環境調和型無線湿度センサデバイス
10.4 電気泳動的堆積現象を用いたCNFの配向・高次構造制御
10.4.1 CNFの電気泳動堆積による配向制御
10.4.2 本技術の応用例①:パターニング
10.4.3 本技術の応用例②:生体模倣
10.4.4 本技術の応用例③:CNFフィルム(ナノペーパー)立体成型
10.5 おわりに
第4章 自動車分野への応用
1 透明ナノポリマーアロイの開発
1.1 はじめに
1.2 高せん断成形加工技術の開発とその概要
1.3 PC/PMMA透明ナノポリマーアロイの創製
1.4 PC/PMMA透明ナノポリマーアロイの自動車用窓材等への利用可能性
1.4.1 自動車用窓材への利用可能性
1.4.2 各種透明パネル等への利用可能性
1.5 おわりに
2 最表面の耐久性を40倍以上に高めた反射防止フィルム「HDシリーズ」
2.1 反射防止フィルムのしくみ
2.2 反射防止フィルムの製造方法
2.3 ロールtoロール方式を採用
2.4 デクセリアルズの反射防止フィルムの4大特徴
2.5 HDシリーズの特徴
2.6 ノートPCにおける展望
2.7 車載ディスプレイにおける展望
3 車両用樹脂製窓ガラスの黄変度測定による劣化評価事例
3.1 はじめに
3.2 樹脂ガラスの特徴と劣化機構
3.2.1 樹脂ガラスの特徴
3.2.2 黄変の機構
3.3 試験品と試験方法
3.3.1 試験品
3.3.2 促進耐候性試験の方法
3.3.3 黄色度の評価方法
3.4 結果と考察
3.4.1 黄色度
3.4.2 長寿命化の可能性